現代社会の変化の中「人としてよく生きる」とはどういうことなのか。静かに問う老夫婦の物語。
静かなウズベキスタンの村で暮らす老夫婦。質素ながら満ち足りた彼らの暮らしぶりは微笑ましい。牛を飼い、乳を搾る。羊の毛を刈り、糸を紡ぎ、色を染め、織物を織る。町に住む息子は、彼らの慣れ親しんだ古い家を壊し新築するという。抵抗するが全く意に介さず、彼らの元に電化製品を運び込み始める。戸惑う二人の暮らしは少しずつ壊され始める…。ショキール・コリコヴ監督の初長編監督作となる本作は、上海国際映画祭アジア・ニュー・タレント賞最優秀作品賞を受賞するなど各地の映画祭に愛される作品となった。主演二人の存在感が素晴らしい。老夫婦の行く末を見届ける時、現代社会の中、「人としてよく生きる」とはどういうことなのか、静かに問われるだろう。
上海国際映画祭/アジア・ニュー・タレント賞最優秀作品賞受賞作品。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024/グランプリ受賞作品。